一緒に暮らそう
「せやけどあんた、誕生日とは関係なしに、最近前よりええ顔になってきたで」
「そう見えます?」
「そうや。表情が明るなってきたで」
「本当に中山さんは私のことは何でもお見通しなんですね。あなたのおっしゃるとおりだと思います。私、この間中山さんに掛けていただいた言葉のお陰で、気持ちを切り替えることができたんです。ほら、『卑屈になったらだめだよ。彼とは自信を持って付き合っていたらいいんだ』っておっしゃってたじゃないですか。その言葉に励まされたんです。だから、今はもう、彼と頻繁に会えなくても寂しくはならないんです。心はいつもつながっているから大丈夫だって思えるんです」
「ほうか。こんな僕の言葉もたまには役に立つことがあるんやなぁ。あんたの役に立ったんなら僕もうれしいわ」
 中山さんが笑顔で言う。
「ええ。もう、とっても励まされました!」
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