一緒に暮らそう

　そこへ、国道から一台の四駆が入ってきた。雪の飛沫を上げながら、車が急停車した。

　車が急停車すると、中から長身の男が飛び降りてきた。ふたば屋の常連で、いつも閉店間際にやってくるサラリーマンだ。

「こらー！　お前ら何やってるんだ！」
　彼は若者たちに駆け寄る。

「やべ。邪魔が入った。もともと脅せって言われてるだけだし、ここらへんでずらかろうぜ」
　若者たちは改造車に飛び乗ると、急発進をして車道に飛び出していった。
　改造車は来た時以上の爆音を上げて、国道の彼方に走り去っていく。

　若者たちが去った後、紗恵は店の前の地面にへたり込んだ。雪で凍てつく路面も気にせず、彼女はその身を丸くしている。ショックと恐怖で体が動かない。