一緒に暮らそう
 三人は一つのテーブルを囲んでいる。

「俺たちがポートピアランドに行った時の様子を職場の同僚に見られちまってね。それでコイツの耳にまで入ってしまったというわけさ」
 新多が仏頂面で言う。

「ふーん。なかなか可愛い子じゃない。見たところあなたより結構年下よね。やっぱり男は若い女がいいんだ」
 古屋翔子なる人物が品定めするような目つきで紗恵を見る。それにずい分とズケズケした物言いをする。あまりいい気分ではない。
「ほっといてくれ」
「垣内さん、あなたはこっちの人じゃないでしょ。アラタが地方に下っていた時に出会ったんでしょ。なのに、こっちで暮らしてるってことは、彼氏を追いかけてきたのね」
「おいおい。お前には関係ないことだろ。余計なことは訊かないでくれ」
 新多が翔子の質問をさえぎる。
「あ、そ。つまんないわ」


 その時、新多の携帯が鳴った。彼は慌てて、店のテラス席の方へと出ていった。
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