蝶龍Ⅱ



【佳菜side】


ガチャ




重い扉を開けると、冷たい風が頬を掠めた




屋上には洗濯されたシーツや服が干されている




手摺に手をかけ、青く澄んだ空を見上げる




『私は、信じてる』



みんなにそう言ったけど、「梨羅がこのまま目を覚まさなかったら」って一番考えてるのは多分私だ




信じてないわけじゃない



でも、怖いんだよ…




朔にぃがいなくなって、梨羅まで失ったら私はどうしたらいい?




< 159 / 232 >

この作品をシェア

pagetop