【完】君と流れ星を。



「あ!流れた」


「え?!」


先生の声にびっくりした時にはすでに遅くて、私は今日何個目かの流れ星を見逃した。


「お前なかなかの不運っぷりだな」


呆れるような言い方とため息。


「大丈夫、きっと見れるよ」


海斗先輩の励ましすら余計に悲しくなるばかり。

なんで私だけ見れないの……。


「そろそろ部屋に戻ろうと思ってるけどまだ見てる?」


海斗先輩の言葉に私はうなずいて、玄関から少し離れた場所にあるベンチに座った。


見れるまで絶対寝ない!


時刻は午前0時。

半分意地になって私はそう決意を決めた。
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