【完】君と流れ星を。
ある日、幸にいに呼び出されて俺は公園に向かった。

『どうしたんだよ、幸にい?』


『樹には話しておこうと思ってさ』


『ん?なんだよ?』


『……俺、梨紗が好きだ』


公園の埃っぽい風が、俺と幸にいの間を吹き抜けていった。


俺はなんて言っていいのかわからず、幸にいの顔を見ることしかできない。


『お前に負けたくないから、これ宣戦布告ね』


『えっ、俺、別に、梨紗のこと、そんなんじゃねーし』


バカな俺はこのままの日々がずっと続いていくんだと疑ったことなんてなくて、この時初めて、少しずつ何かが崩れていく音を聞いた。
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