【完】君と流れ星を。
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「樹くん?あ、やっぱここにいた」


「裕子……どうしたんだ?」


「どうしたもこうしたもない!教師が入学式サボるなっての」


化学準備室に入ってきたのは高橋裕子。

同じ大学の同期で、今は同僚。


「君がいい加減だから私までいい加減なやつだと思われるんじゃない」


「はいはい、どうもすみません」


彼女は俺の手からタバコを取り上げると、吸殻だらけの灰皿にそれを押し付けた。

そして、少し心配そうな表情でこっちを見る。


「何か、あった?」


「…………。相変わらず、ナイスバディだね」


「……ったく、こっちはまじめに聞いてるのに!」



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