【完】君と流れ星を。
いいも、悪いも、ないだろ。

俺は最初から勝負を放棄して、逃げてただけなんだから。



ゲームセット。

その声が響いた今でさえ、それが上手く飲み込めないでいる。


幸にいはそれ以上何も言わず、『また明日な』という一言だけを残して、俺に背を向けた。



こんな寒い日に公園で遊ぶようなバカはいなくて、1人になった俺は居場所を探してブランコに座ってみる。

夜の匂いと雪の匂いが混ざった風が頬に触れて、一筋の通り道を冷やす。


え?
俺、今、泣いてる?
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