【完】君と流れ星を。

「……先輩、好きな人いますか?」


「……いるよ。ずっと前から好きな子がいる」


「好きな人にどう思われてるか、不安になったりしますか?」


「するよ。だって、そんなの当たり前でしょ。自分とは違う人なんだから」


「……そう、ですよね」


「でも、信じてるよ。俺が信じないとダメでしょ?」


私が先生を信じる……。


信じることができる。

信じたい。


だって、好きになった人だから。

初めて好きになった人だから。



先輩が優しく笑ってくれて、私も笑う。

汗をかいたグラスの氷が、カランと音を立てた。
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