【完】君と流れ星を。




放課後になって、私はドアの前で深呼吸していた。

もちろん、化学準備室のドアの前だ。


なんかよくここで深呼吸してる気がする。



トントン。
軽くノックをする。

「はーい」と少し間延びした声が聞こえたのを確認してドアを開ける。


「失礼します」


「あれ?紗奈?どうした?」


難しそうな本とコーヒーを片手にソファに座る先生。


「えーっと……先生のプラネタリウムもう1回見せてもらえないかと思って……それから……」


「何?」


「先生に星のこと教えて欲しいんです!」


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