【完】君と流れ星を。
まるで犬を撫でるみたいに、くしゃくしゃっと頭を撫でられる。

これじゃ、せっかく千尋が整えてくれた髪形が台無し。


「かわいいこと言ってくれるねぇ」


先生の声が体を通して響く。

私は息をするのも忘れる。


「いいよ、教えてあげる……ただし……」


目の中を覗き込まれて、私の喉はゴクリって恥ずかしいくらいの音をたてた。


「俺のほっぺたにキスしてくれたらね」


「……え!?」


私をからかってる表情。

あーもう!心臓がうるさい!


私は何も答えられず、ただ先生の目を見つめ返した。
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