【完】君と流れ星を。
『なんでこんな面白いのにいつも私を置いてくの?!』
拗ねた表情で梨紗がこちらを見る。
月明かりの下の彼女は、どうしてだか、大人っぽく見えた。
『寒いとか眠いとか文句言うからだよ』
『なにそれ!言わないよそんなこと!……もう子供じゃないんだから』
もう子供じゃない。
そんなことわかってるよ。
近くにいると、触れたい衝動に押し潰されそうなんだ。
幸にいはそんな俺と梨紗が出かけるって言っても、快く『いってらっしゃい』と言った。
絶対的信頼。
そうだ。
俺が裏切れないの、わかってるから。