【完】君と流れ星を。
空から降ってきたみたいだった。


この寝顔を俺だけのものにすることは、もう一生ありえないんだって。

触れることも、傷つけることもない。



それが急に、理解できた。





――もう子供じゃないんだから。

……そうだな、梨紗。



俺だけがずっと子供のままだったんだ。


逃げて、逃げて、逃げて。ただ逃げ続けていたんだ。



もう終わりにするよ。

でも最後に……。



俺は立ち上がって、梨紗の顔に近づき、そして、


キスをした。
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