【完】君と流れ星を。
おしえて。
◇◇◇
トントン
短めにしたノックだけど、その速さよりずっと速く心臓が音を立てていた。
「失礼します」
そう言ったけど、返事はなくて、主の居ない化学準備室はコーヒーの香りもしなかった。
今日はいてくれるかなっていう期待と、
今日もまたいないのかなっていう不安と、
月曜日はいつも私を不安定にして、結局何もないまま過ぎ去っていくんだ。
気付けば秋の足音が少しずつ近づき、夜に響く虫の声の種類も変わり始めていた。
トントン
短めにしたノックだけど、その速さよりずっと速く心臓が音を立てていた。
「失礼します」
そう言ったけど、返事はなくて、主の居ない化学準備室はコーヒーの香りもしなかった。
今日はいてくれるかなっていう期待と、
今日もまたいないのかなっていう不安と、
月曜日はいつも私を不安定にして、結局何もないまま過ぎ去っていくんだ。
気付けば秋の足音が少しずつ近づき、夜に響く虫の声の種類も変わり始めていた。