【完】君と流れ星を。

階段を一気に駆け上がるとさすがに息が切れたけど、私はかまわずドアをノックした。



トントン


「……はい」


沈黙の後、先生の返事があって、私はドアを開ける。


「失礼します」


「……紗奈」


先生は私の顔を見て少し驚いたみたいだったけど、すぐに目をそらした。

でも声だけは明るい調子で、「どうした？」なんて聞いてくる。


「どうしたって聞きたいのは私の方です」


怒ってるわけでもなかった。

私は自分が思ったよりかなり冷静な声を出した。