【完】君と流れ星を。
……

……


……


……




体にかかった重みが消えて、体温が離れる。


カチッとライターが音を立てて、その音で私は目を開けた。



そして、私は先生の姿を探す。




窓際にもたれかかって、うつむき加減で煙を吐き出す姿。


「……悪い。今の、忘れて」


かすれるような声。

向けられることのない視線。


重く、冷たい沈黙。



私は静かに体を起こした。
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