【完】君と流れ星を。

* * * * *


秋の匂いがより一層濃くなり、見上げる星空はだんだんと鮮やかさを増す。



冬の星は1等星が多い。

澄んだ空に散りばめられた宝石みたいに青や赤に輝く。


中でもオリオン座は俺が好きな星座の1つだ。

あれ、俺が名付けるなら『砂時計座』だな、と昔から思っているけど。



1人で車を飛ばし、何となく星を眺めているうちに結構な時間が過ぎていたみたいだ。

夜更けに姿を見せた砂時計座を見てると、ふいに1つの場面を思い出した。




その砂時計を逆さまにして、俺は記憶の砂の中に意識を沈めた。





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