【完】君と流れ星を。
職員室や部活をしている教室には明かりが灯っている。

でも化学室へ向かう廊下はどの教室も使われてないようで暗くて静かだった。

私は少し心細くなる。


その時、化学準備室に明かりがついているのが見えた。


ガラッ

「きゃ!!」


化学準備室のドアの前で、先生がいるのかな、ってドアをノックするまでの一瞬のためらいの間にドアが開いて、私は小さく悲鳴を上げた。

先生はその声にびっくりしたのか、目を丸くした。


「おいおい、俺が何かしたみたいだろ?」


「すみません……」


先生が笑ったから私は恥ずかしくて下を向いて、小さな声で言った。


足音が聞こえたんだ、と先生は言って、それから部屋の奥へ入ってしまう。

私は少し躊躇って、先生の後を追った。
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