【完】君と流れ星を。


──……ピピピピピ……


ん……?目覚ましの音?


……さっきのは夢?ううん、違う。

あれは忘れていた記憶の切れ端。
そんな確信が私にはあった。


お母さんが『いっくん』と呼んでいた人こそ、いっき先生だったんだ。

私にこのテディベアをくれたのも先生だったんだ。



今まで心に引っかかっていた些細な場面の理由がわかった。


私に両親がいないことを知ってたのも、
私の誕生星座を知っていたのも、

私が『車に乗るの久しぶりだ』って言ったときの表情の意味も、

お母さんのワンピースを着ていた私を見て驚いたわけも、



やっぱり……

先生が好きだったのって……
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