【完】君と流れ星を。
意気込んで始めた準備だったけど、展示の用意はほとんど昨日やってしまっていたから、大島先輩と澤田くんが来て少し飾りつけをしたら時間を持て余してしまった。


忙しいほうが幸せなときだってあるんだなって、最近思う。


静かな実験室に、騒がしい校庭の風が吹き込む。

突然、ポンっと頭に温かい手が触れて、振り向くと澤田くんが立っていた。


「頑張れよ」


私と目が合うと、そっぽを向いたまま小さな声でそう言って、すぐに私から離れてしまった。
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