【完】君と流れ星を。
電気が消され、ざわつくドームの中で私はレーザポインタを握り締める。


「天文部のプラネタリウムへようこそ!第1回目の上映では春の星座をご紹介します」


大島先輩と澤田くんが作ったプラネタリウムが、狭いはずのテントを無限に広がる宇宙に変えた。



その中からひしゃくの形を探す。



北斗七星から北極星と春の大曲線。

そして春の大三角。



神話は私の星座だから乙女座を調べて原稿にした。

私はただ星だけを目で追い、夢中で話をしていた。




「―――以上で上映を終わります。ありがとうございました」


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