【完】君と流れ星を。
拍手が聞こえ、照明が灯り、お客さんが出て行ったのを見届けてから、私は実験室を飛び出した。


「紗奈!」


後ろで先生の声がした。

でも立ち止まれなかった。


ずっとこらえていた涙を、もう留めておけなかった。





今日は鍵が開いたままになっている重いドアを押し開けて外に出る。

一気に屋上まで走ってから、泣いてやろうって思ったのに……沈む夕日がキレイすぎて、もうどうでもよくなってしまった。




バタン


その時、さっき私が開けたドアがもう一度大きく開いた。
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