【完】君と流れ星を。
私は先生の方を振り返って『好き』って言おうとした。


「先生、私も────」


言葉の先は先生の指で塞がれた。


「そんな口先だけの言葉はいらない」


「……?!」


「迷っていいから。固まるまで待ってるよ」


それだけ言ってから先生は私にくるっと背を向けて、校舎の中へと吸い込まれていった。



その背中を見送る私の視線のもっと先には、一番星が眩しいくらいに輝いている。



『好きだよ、お前が』

『迷っていいから』



2つの言葉が私の頭の中に何度も響いた。
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