【完】君と流れ星を。
「……何悩んでんの?」
いきなり単刀直入な質問だ。
でも、そう言われてみると……何を悩んでんだろ?俺は。
「全部かな。これで良かったのかとか、最近のことだけじゃなく、過去もひっくるめた全部」
質問に答えた俺に対して返ってきたのはしばらくの沈黙で。
沈黙の意味がわからず、俺はただ言葉を待つしかない。
「…………バタフライエフェクト」
「……は?!」
その待っていた言葉が予想外すぎて思考が停止する。
「蝶が羽ばたいたら地球の裏側で嵐が起こるって話よ」
「いや、それは知ってる。理科オンチの君の口から物理の話が出るとは思わなかっただけだ」
理科オンチという言葉に裕子は少し拗ねたような表情をした。