【完】君と流れ星を。

「……何悩んでんの?」


いきなり単刀直入な質問だ。

でも、そう言われてみると……何を悩んでんだろ?俺は。


「全部かな。これで良かったのかとか、最近のことだけじゃなく、過去もひっくるめた全部」


質問に答えた俺に対して返ってきたのはしばらくの沈黙で。

沈黙の意味がわからず、俺はただ言葉を待つしかない。


「…………バタフライエフェクト」


「……は?!」


その待っていた言葉が予想外すぎて思考が停止する。


「蝶が羽ばたいたら地球の裏側で嵐が起こるって話よ」


「いや、それは知ってる。理科オンチの君の口から物理の話が出るとは思わなかっただけだ」


理科オンチという言葉に裕子は少し拗ねたような表情をした。
< 395 / 497 >

この作品をシェア

pagetop