【完】君と流れ星を。
「でもさ、好きな人の好きだった人のこと、知りたいって思うかな」
先輩の言っている意味がわからず首をかしげる私に、先輩は言葉を付け足す。
「そうじゃないとさ、本当に似てるかどうかわからないんじゃないかな。知らなくて苦しいより、知って苦しむ方がマシだと思う」
そこまで真剣な表情で言ってから、私の方に向き直って、「なんて、当事者じゃないから言えるんだけどね」と苦笑いを浮かべた。
私は何も言えなかった。
だって、その通りだったから。
色々勝手に想像して、勝手に被害者みたいな悲劇のヒロインみたいな気分になってた。
お母さんのこと、先生のこと、何も知らないのに。