【完】君と流れ星を。

「先輩、ありがとうございます」


「何もしてないよ」


「今だけじゃないです。ずっと、先輩はいつも私に優しいから」


私の言葉に、先輩は困ったような照れたような表情を浮かべた。


「あのね、迷惑で自分勝手な話なんだけどいいかな」


私は訳も分らずにうなずく。


「俺ね、妹がいるんだ。紗奈ちゃんと同い年の」


先輩は空を見上げて、目を細めた。

秋の風が髪を揺らす。
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