【完】君と流れ星を。
「父のことも知ってますか?」
「ああ、知ってるよ。梨紗と樹と幸太はいつも3人でつるんでたから」
私の目の前には湯気が立ったカップが差し出された。
いつものコーヒーカップではなく大きめのマグカップに注がれたのは、カフェオレ。
湯気からハチミツの甘い香りがする。
マスターはゆっくりと語りだしてくれた。
先生とお母さんの高1のときのクラス担任だったこと。
お母さんは高校に入る前からお父さんと付き合ってたこと。
3人が幼馴染でいつも一緒にいたこと。
そして……。
「梨紗の妊娠が分ったのは、高1の冬だった」