【完】君と流れ星を。
お母さんの年齢と私の年齢から考えてその話は当然のことだった。

でも、自分が今まさにその年齢に近づいて、不思議な気持ちなる。


こんな子供な私が母親になれるの?

そう思うと、現実味がない話に聞こえる。


「梨紗から聞いた時、あいつの気持ちはもう固まってたんだ。だから、幸太は大学に行かずに就職、梨紗は高1の終業式で学校をやめた」


マスターの視線はもう一度写真へと注がれる。
そして、少し苦いものを口にしたときのような表情を浮かべる。


「だからこの写真は、梨紗にとっての卒業写真なんだ」


そんな表情をかき消すように、マスターはコーヒーをひと口、口に含んでから続きを話し出した。
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