【完】君と流れ星を。
「だって、私、自分の目で見たのは初めてなんです!あーほんとにボコボコしてるんだ……って思って……」
恥ずかしさから語尾は少し小声になってしまう。
「ここだと星はあんまり見えないんだけど、月とか惑星なら十分見えるんだよ」
横から伊集院先輩の優しい声が聞こえた。
「惑星って、火星とか土星とかですよね?見えるんですか?」
私にはそれらは教科書の中の写真の世界でしかなくて、まさか学校の屋上から素人(って言ったら失礼だけど)の望遠鏡で見えるなんて思いもしなかった。
「今見せてあげるよ」
伊集院先輩が言って、望遠鏡の向きを大きく変えた。