【完】君と流れ星を。

「だって、澤田くんが……」


「ったく、またあいつか」


先生は私をちゃんとソファに座らせると、その横に自分も座る。


この時になって初めて私は自分の手が震えていることに気付いた。

その手を先生が優しく握ってくれる。


「震えるほど怖いなら、誘惑しないこと」


ゆ、誘惑?!
私、いつ誘惑したんだろ……。


「どうしたの?何があったの?」


聞いていいのかな。
でも隠し事なんてできないし。



私は意を決して先生の方に向き直った。
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