【完】君と流れ星を。

「何を買ってくればよかったって?」


背後から突然かけられた声にびっくりして、不安定な体勢でバケツを持っていた私は少しよろけた。

でも、優しい手が私を支えてくれる。


「先生!」


「お前さ、行くなら行くで声かけろよ。俺だって車くらい持ってるんだから」


私の頭を軽くポンと叩いて、反対の手で持っていたものを私に差し出した。


「買ってくればよかったって思ったのは、これ?」


先生の手には綺麗な花が握られていた。




……そっか、先生だったんだ。


私は花を受け取り、それをお墓に供えた。
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