【完】君と流れ星を。
「じゃあケーキ、5つ買えばよかった」
「ケーキ?」
「おばあちゃんがいつもショートケーキ買ってたんです。だから……」
「ああ、梨紗が好きだったからだろうね」
そう言って先生は少し寂しそうに笑った。
ろうそくに火をつけるのは先生のライター。
線香の香りが辺りを包んで、私は目を閉じた。
今年は色んなことがありました。
まず、高校に入学して、なんとか定期テストも赤点を取らずに頑張ってます。
制服にも寮にも慣れて、友達もできました。
それから天文部に入部しました。
それから……好きな人ができました。