【完】君と流れ星を。
先生を振り返ると優しい笑顔があって、独りじゃない自分を確認する。


今、先生が横にいてくれる、それだけでこんなにも幸せだなんて。


「紗奈」


「はい?」


「11年前の今日の話、聞いてくれる?」


私は静かにうなずいた。

いつか話して欲しいって、そう思っていた話。


きっと先生にも私にも辛い話。




一呼吸置いてから先生は話し出した。


「11年前の夕方、幸にいと梨紗は俺が住むマンションにやってきた。もちろん、紗奈、お前も一緒に」


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