【完】君と流れ星を。

「俺と紗奈は歳が離れてる。多分、俺の方が先に死ぬよ。それでも最後まで一緒にいてくれる?」


先生は大好きな人を亡くすことの痛みを知っているから、痛みとずっと生きてきて、



これからも、ずっとその痛みは消えない。



だから私に聞いているんだ。



でも……

それでも……私は────


「一緒にいたいです」


「そっか」と先生は短く言って、コートのポケットから黒い箱を取り出した。


そして、その小さな黒い箱を開ける。
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