【完】君と流れ星を。

「じゃあ2つ目の約束。これから紗奈を絶対に幸せする。受け取ってくれるか?」


夕闇の中、街の灯とろうそくの火が反射する小さな指輪。

小さいけど、大きな意味があるそれを前に私は深呼吸をする。


「これって」


「うん、結婚しよう。って、まだ先の話だけど」


指輪に手を伸ばしかけた私は、お墓の方──お母さんの方をちらりと見る。


「……先生、ひとつ、お願いがあります」


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