【完】君と流れ星を。

「月がクレーターだらけで、ボコボコだってこともちろん知ってたんですけど、初めて自分の目で見て『やっぱそうなんだ』って思って」


「なんでそれがショックなんだ?」


「私、ほんと、何となくなんですけど、太陽は男の人で、月は女の人ってイメージがあって」


先生は無言で先を促す。

私は途切れ途切れの言葉を何とかつないでいく。


「しかもその女の人は綺麗な女神なんだろうって。だけどその表面が綺麗じゃないんだなぁって……」


少しの沈黙があってから先生は盛大に笑い出した。

私は恥ずかしくて顔が熱くなる。


「先生!笑わないでって言ったのに!!」


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