【完】君と流れ星を。
「もうっ」と言って大げさにそっぽを向いてみる。


「いや、俺は笑わないとは言ってない……っ、はははっ、腹がいてぇ」


そんなに笑わなくてもいいのに!


笑い声が聞こえなくなっても私はふくれて、先生とは反対側に顔を向けたまま。

こんな行動も子供っぽくって笑われるって分かっていたけど、恥ずかしいのと怒ってるのとで先生の方を向き直る気になれなかった。


がさっ


人が動く気配と音がして、気付けば先生に顔を覗き込まれていた。


「………っ!」


「怒ったのかよ?」


またいつものからかうような顔。


「こ、子供みたいだって思ったんですか?」


私はできるだけ先生と目を合わせないようにして、できるだけ冷静を装って言ってみた。


「ちがうよ」


「え?」


私はこの時、顔を上げなきゃよかったんだ。

後からそう思って遅いけど。
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