【完】君と流れ星を。

「かわいいなって思ったから」


きっと暗くてもわかったと思う。

また私は先生にからかわれて、至近距離で真っ赤になっていくのを見られた。


先生がいたずらっぽく笑うのが見えて、私は慌てて望遠鏡を片付けている3人の方へ戻った。


だけど、私が望遠鏡のところに戻った時には部品の大部分は元の箱へと収まっていた。



少し強めに吹く屋上の風が上がった体温を下げるための清涼剤。

心臓はまだ少し跳ねたままで少し眩暈がしそう。


今週になって先生の言葉に翻弄されっぱなしで、こんな調子だと心臓がもたないかも。


でも、『かわいい』って何度も言ってもらえたこと、恥ずかしいけどすごく嬉しくて、嘘でもからかってるだけでも、それでももう一度言って欲しいと思った。
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