【完】君と流れ星を。
えっと、澤田くんだったかな?今日も午後から来るのかなぁ。


入学してから1ヶ月とちょっと、彼の姿を午前中に見ることは少ない。

言葉は古いかもしれないけど、『不良』という感じの彼の姿、態度が少し苦手だ。


……って、それより放課後どうしよう。

私はこっそりため息をついて、先生と教科書と時計を順番に眺める。


優柔不断な私は、現国の授業も終わりに差し掛かった頃にやっと、『一度行ってみてもいっか』なんて決心をつけることができた。



その時、教室の後ろのドアが静かに開いて、澤田くんが入ってきた。


「澤田ーちゃんと学校に来いよ。留年するぞー」


先生が言った言葉なんてお構いなしみたい。

マイペースに歩いて自分の席に座ったと思ったら、携帯を取り出してる……。


先生がため息ひとつついて、「次のページ…」と言いかけた時にチャイムが鳴った。
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