【完】君と流れ星を。
その後の授業もうわの空だった。

早く授業が終わって欲しいような、そうでもないような。


私はもともと、何か新しいことを始めるときになかなか決心できないタイプだ。

だから部活も、5月になる今まで決められないままだった。


この性格を変えたいと思っても、結局なかなか直るものでもないみたい。



最後の授業の終わりを告げるチャイムの音。

千尋は部活の用意が入った大きなバッグを持って、私に手を振った。


私は千尋を見送ってからゆっくり立ち上がり、化学室へ歩き出す。


うー、緊張する……。


「っ?!」


ため息をついてると後ろから、背中をバンっと叩かれた私はびっくりして立ち止まった。


「お!来てくれるんだな!よかったよかった」


そこにいたのは笑顔のいっき先生だった。
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