【完】君と流れ星を。
「あーその先輩は北大路先輩だと思うよ」
「……千尋なんでも知ってるんだね」
えへへと千尋が笑ったところで先生がやってきて話は中断した。
千尋が"続きは後でね"と声を出さずに言った。
授業中、やっぱりSクラスの人は一般クラスの人と人種が違うのかも。
そんなことをぼんやり考える。
あんなかっこいい人とあんな綺麗な人がいるなんて、そして勉強もできるなんてなぁ。
待ちに待った休み時間がきて、情報通の千尋のところへ行く。
「北大路先輩ってどんな人なの?」
「たしか、有名な華道の家元のお嬢さまらしいよ。美人だよね!」
うんと大きくうなづいて、先輩の姿を思い浮かべた。