【完】君と流れ星を。



今日もまたプリントの束を持って化学準備室のドアの前に立つ。

先生の顔が見れることが月曜日の楽しみだったりする。


「せん――」


先生と呼ぶ声を途中でやめたのは、中から声がしたからだった。


「ああ、これで合ってる。あとはこれとこれを――」


先生、誰と話してるんだろ?


「なるほど!先生の説明すごくわかりやすいです」


女の子の声がする。


「そりゃよかった。美人に褒められると教えがいがあるな」


楽しげな二人の笑い声が聞こえてきた。
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