社長!好きです!
「急に帰るなんてどういうつもりだ?」


昨日の話しね。

どうもこうもありません・・・


「メアリーが心配してた。

何か粗相があったかも知れないって。」


「そんなことないです。メアリーのせいじゃありません。」


悪いのは

全部社長です。


「じゃあ、僕が何かしたのか?」

全然分かってないし・・・

「勝手に全部決めるから・・・社長が」


ひとり言のつもりが

社長の地獄耳


「それの何が悪いって?」


不満げに社長は言うと立ち上がり

ドアの前に突っ立ってた私の方へとやって来て


「あんなに社員寮を嫌がってた君が進んで社員寮に帰るのは何故だ?」


進んで帰るって・・・


そりゃあ

「最初は、男性しかいない社員寮しかもあんな得体の知れない人たちと住むなんてイヤでしたけど・・・」

けっこう慣れました。


「僕と暮らすより社員寮がいいのか?」


あのぅ・・・

ってか社長

顔が近いんですけど・・・


「結婚もしてないし・・・」

社内でだっていろいろと噂とか・・・

「あの家は、久利生さん君のために買ったんだ。」


ああ、社長の息が・・唇が・・

・・・って


え?

「本当ですか?」

嬉しくない訳が無い。

「ああ、僕らの新居として急いで用意したんだ。」


けど

だとしても


やっぱり社長のペースで進んでて



肝心なことが抜けてる

それに社長は気付いているの?


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