パニック!!

 <放課後>
「美華~、ごめん。委員会あるから先帰っててー。」
顔の前で手を合わせる美咲。
男子たちが目の保養とばかりに、頬を緩ませて美咲を見る。
「おっけー。」
美咲に笑顔で返事してから、あたしは男子たちをギロリと睨みつけた。


これだからもてない、ってことは、気づかないフリで。笑


というわけで、今日の帰りはあたし1人。
「ちょっと寂しいなー。」
なんて呟きながら、あたしは帰り道をふらふらと歩いていた。
すると、
「じゃー俺らと遊ばな~い?」
なんて言い寄ってくるバカ共が。
「は?」
ふざけんな。そう言おうと振り返って、あたしは固まった。
「な、なにあれ…」
「あ?何言ってんの?」
バカ共の後ろ。道の真ん中に、ヒトみたいなモノがいた。
「何って…あんた達、アレが見えて、ないの…?」
「は?何言って…」

[ぁ…っオまえ…み、エ、テル…?]

ソレが、カクッと首を傾げると、体から手足が生えて…って、
「え?」
手足が生え…?
かさかさ、とあたしがこの世で1番嫌いなものの巨大Ver.みたいになっていくソレ。
その時、あたしの脳裏に、都市伝説的なやつがよぎった。
えと…、つまり…、アレ?
ユーレイ的な…いや、ないない…。
ごしごし、と、目をこすってさっきの場所を見ると、ほら、いな…
「い!?」
バカの肩越しに、女があたしを凝視して、
ていうかその体から生えてる手足は、まさしく、あたしが世界1大っ嫌いな…
「く…」
「は?何言ってんの?」


「クモーーーーーーーーーーー!!!(恐)」


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