☆ソラ☆
俺はゆっくりと教室に向かった。
屋上にいるだろうか?
さっきの気持ちとは裏腹に自信が消えかかっていた。
もし、屋上にいるのなら教室に鞄を置いているだろう。
そう思い、足を教室に向ける。

ふっと教室へと続く廊下の真ん中で菜緒が立っていた。
周りには誰もいない。
菜緒は俺の存在に気づいているのだろうか…。
俯いて立っていた。

俺は廊下から見えるソラを確認した。
今朝、家を出たときに思ったキレイなソラだった。

“スカイブルー”

まさしく、このソラにピッタリだと思った。

少しずつ少しずつ菜緒が近くなる。
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