☆ソラ☆
最終章。

☆キレイなソラの下☆

屋上から下校している生徒を見ながら、私はもうここで見下ろすこともできないんだなぁと思っていた。
この場所は連に告白した場所であり、別れた場所である。
そして、自分の気持ちをはっきりと確信した場所でもある。

見下ろしていると下校している生徒の中に連の姿があった。
連の手を見ると何か持っている。
それが私の書いた紙切れであると思った。
遠くて見えにくくて、核心は持てないけど、でも、そんな気がした。

ふっと連が上を向き、私を見た。


私の目は連の目を見ていて、連の目も私を見ていた。


そして、私と連は笑った。

久しぶりに顔を見合わせて笑った。

キレイなソラの下で。

私と連は同時にソラを見上げ、ソラを見つめ返した。

ソラは、やっぱり今朝見たときと同じようにキレイだった。
今の私と連の気持ちを表したように、私と連の上で拡がっていた。
きっと、これからもずっと私と連は見上げ、ソラは見下ろすのだろう。
この日のソラは決して、もう見ることはできない。
それでも似たようなソラは拡がり続ける。

それの繰り返しだ。



私と連はずっとキレイなソラを見上げ続けていた。


☆☆☆☆☆END☆☆☆☆☆


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