☆ソラ☆
学校に行くまでに長い川がずっと続いている。
私と連はデートらしいことを一度もしたことがなかった。
連は休みの日は昼から部活があったため遊ぶ暇がなかった。
でも、別に２人とも不満だあった訳ではない。
部活の帰りに、よくこの川原で話したり、暮れていく空を見上げたりしていた。
その他愛のないことが特別だった。
帰り道に２人で寄り道したりすることが私と連のデートだった。



学校に着き自転車置き場に自転車を入れると、サッカー部の朝練は終わっていて、運動場には誰もいなかった。
私は不安定な心のまま下駄箱に向かうと、そこに連と大倉君がいた。
大倉君は私に気づくと「おはよう」と挨拶をしてくれた。
きっと、私の顔は複雑な顔をしているにちがいない…。
私は小さい声で大倉君と連の横を通り過ぎるときに「おはよう」と言った。
とても、とても小さい声で…。
２人は聞き取れたのかわからない声で…。
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表紙・目次

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