☆ソラ☆
その日から連と真由が仲良くしゃべっているのを度々見かけるようになった。

「菜緒、いいの??」

少し不機嫌に葵が私に聞いてきた。

「何が?」

葵の言いたいことがわかっているのに私はわざとわからないフリをした。
それを葵は気づいているのか、そこからは何も言わなかった。

『強がり』なんて、そんないい言葉ではない。
『束縛』という言葉が怖くて、連に嫌われることが怖くて、私は逃げているだけだった。


そんな気持ちを抱えたまま冬休みがきて、年が替わり、3学期になった。
冬休みの間も相変わらず部活に励む連を見ていたりして、ときが過ぎていった。

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