☆ソラ☆
放課後、彩と映画に行く約束をしていたので、彩の教室まで迎えに行こうと廊下を出ると、連と真由、他に2,3人の男女が話をしていた。

2年前に戻ったように…。

咄嗟にその頃の光景と今の光景をだぶらせていた。

私はため息を吐いて心を落ち着かせると、その楽しそうな輪を通り過ぎようと踏み出した。

あと2,3歩で通り過ぎれるというときに

「菜緒、もう帰るの??」

という真由の声が後ろから刺してきた。
私は振り返り平常心を心掛けて真由に言った。

「うん。これから用事があるから。」

私の視界の隅には連の姿がぼやけて映っていた。
連はチラッと私を見ると目の前にいる友達の話を聞いていた。

「バイバイ。」

私は真由にそれだけ言うと視界から連を消して歩き出した。
後ろから「ばいば~い!!」と元気な真由の声を聞きながら。

階段の角でふっと後ろを振り向くと、連は楽しそうに笑っていた。



もう、私のことはどうでもいいかのように…。
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