☆ソラ☆
「…それ…本心?」

本心じゃないと願いながら掠れた声で俺は聞いた。

でも、菜緒は顔を上げると俺の目を真っ直ぐ見て言った。

「ずっと思っていた。もう限界だから、別れて。」

俺はその言葉を聞くと黙って屋上を後にした。



屋上のドアを閉め、1段階段を降りたところでしゃがみ込んでしまった。

手で顔を覆う。
涙は出てこなかったが、心の中が空っぽな感じがした。

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